『粘膜人間』レビュー

【STORY】
「弟を殺そう」 
身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。その暴力に脅える長兄の利一と次兄の祐二は、弟の殺害を計画した。
だが圧倒的な体力差に為すすべもない二人は、父親までも蹂躙されるにいたり、村のはずれに棲むある男たちに依頼することにした。グロテスクな容貌を持つ彼らは何者なのか?
そして待ち受ける凄絶な運命とは・・・。


【レビュー】
">">燹悒丱肇襦Ε蹈錺ぅ▲襦抂瞥茵∩考会でもっとも物議を醸した衝撃の問題作という触れ込みにつられ購入。正直あそこまでの衝撃には至っていないと思うが、最近読むことがかなわなくなった遠慮のないスプラッター描写が満載でとても良かった。

ストーリーは奇天烈そのもの。全部で3章仕立てで、第壱章の「殺戮遊戯」では河童(3兄弟)に弟の殺しを依頼した兄弟とその攻防が描かれる。11歳とは思えない体格で圧倒的な暴力を振るう弟の雷太はジャイアンを遥かに悪くしたイメージ。それに立ち向かう河童は醜く、下品でありながらもどこか滑稽。何だか漫☆画太郎の作品に出てきそうな感じ。

第弐章「虐殺幻視」では兄弟によってその肉体を河童達の報酬に(勝手に)された14歳の少女・清美の話が描かれる。彼女の兄が徴兵を放棄し猗鷙駝鵜甍靴い鬚気譟△修隆愀犬波狃が拷問を受けるのだが、拷問用幻覚剤瑜髑隲瓩鮹躰佑気譴討らの描写は凄惨そのもの。展開される光景は幻覚なんだ!と割り切ったとしてもその文章は止まることなく読む者の脳髄に入り込み、軽い吐き気すら催させる。系統は違えどこれほどの不快感は『姉飼』以来かもしれない。

そして第参章で物語は第壱章と繋がり、脳みそが半分なくなり猗焦麓瓩砲覆辰人訛世伐脇犬猟甲縫皀眤世慮鯲が描かれる。今まで読み手にとっても畏怖の対象でしかなかった雷太に不思議と感情移入ができてしまい、また雷太と父・兄弟の間の真実も見えてくる(幻覚でなければ)
何が言いたいかというと、この作品はあれだけ好き勝手に暴力的な文章を並べておいてストーリーがきちんとしているのだ。最後に戦いの決着を見せず終わっているところもまた憎い。あとは読者の想像に任せるということか、それともいつか作者によって続きの展開が語られるのか。今まであれほど残酷だったにも関わらず『クローズZERO』みたいな一種の清清しい闘劇的終わり方をしている。
何だか色んな意味で凄まじい作品だった。


テーマ : 読書感想文 - ジャンル : 小説・文学

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