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小説版『消えた天使』レビュー

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【STORY】
18年にわたって元性犯罪者を追ってきた監視官エロル・バべッジは引退を控え、後任のアリスンの指導を始めた。
そんな矢先、ひとりの少女が行方不明になる。
「自分が担当する犯罪者の中に、犯人はいる」
確信したエロルは、独自の調査を始めた。


【レビュー】
同名映画『消えた天使』の小説版。
全米の性犯罪者の数は50万人以上。
そして1人の監察官が1000人を担当するという驚きの事実を踏まえてストーリーは展開。

ベテラン監察官のバべッジと新人アリスン。
バべッジは後継者を育てるために様々な事を教えていくが、アリスンは元性犯罪者に対するバべッジの行きすぎた態度に疑問を感じる。
そしてバべッジ自身もそんな自分に疑問を覚える。

だが、ストーリーが展開するにつれて彼の行動は決して間違いではない事に気付かされ、アリスンが甘かった事を思い知らされる。

通常なら我々もアリスンと同じ感情でありたいと思う。すなわち、一度性犯罪を犯した人間は必ず更正できる、と。しかし、どこにもそんな根拠はなく、誰もそんな保証はしてくれない。

“性”は人間の本質であり、その表現行為には様々な形が存在する。それでこそ“人間”と言えばそれまでだが、同時にそれらは“邪悪”でもある。

この小説では冒頭とラストに哲学者ニーチェの有名な言葉が引用される。
『怪物と戦う者は、自らもまた怪物と成り果てぬよう、気をつけなければならない。深淵をのぞき込むとき、深淵もまたこちらをのぞき込んでいる』

まさに深淵を18年間のぞき込んできたバべッジにこそ相応しい言葉であり、これからアリスンが長く自身の戒めとして刻み込んでいく言葉である。

人は表面上に自身の本質をこれっぽっちも表していない。人が抱える闇とはいかなる物か。
そしてどういう人間がそれを抱え、どんな風に他人までも浸食していくのか。
それらを如実に描いた興味深い作品だった。

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テーマ : 読書感想文 - ジャンル : 小説・文学

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